映画

『レディ・プレイヤー1』※ネタバレ注意

皆様こんにちは、はまさんすーです

下の方にネタバレあります。

今回ご紹介するのは

『レディ・プレイヤー1』

です!
>>>レディ・プレイヤー1公式ホームページ

「ネットの海は広大だわ…」と言ったのは攻殻機動隊の草薙素子少佐ですが、この映画はまさに広大なネットの海の世界を巡る一大SF映画となってます。

皆さんは初めて見た映画は何でしょうか?

また、初めて映画を見たときのドキドキやワクワクした気持ちを覚えていますでしょうか?

ラブストーリー、感動ドラマ、アクション、サスペンス、ホラーなど様々な映画がこの世には溢れかえっています。

「レディ・プレイヤー1」はそれらの映画のエッセンスをギュッと詰め込み、70年代から00年代の色んな分野、音楽やファッション、ゲームなどのあらゆるジャンルのいわゆるポップカルチャーのスパイスで味付けされ、スティーブン・スピルバーグという最高の料理人によって調理された極上の娯楽作品なのです。

2045年、現実世界は環境汚染や政治の不安定さから荒廃の一途を辿っていた。

そんな現実世界に嫌気が差していた人々は「オアシス」という仮想現実の世界に熱中していたのだった。

オアシスにつながるバイザーをかぶり、自身の動きをトレースするスーツに身を包めばそこに広がるのは誰もが子供の頃憧れていたような夢の世界。

オアシスの創始者、ジェームズ・ハリデーは遺言でこう遺していた。

「3つの鍵をこの世界に隠した。その鍵すべてを集め、この世界の秘密を解いた者には5000億ドル相当の私の遺産とオアシスの所有権を譲る」と。

そしてオアシス内にはハリデーのイースターエッグ(製作者の隠しメッセージのようなもの)を探す、通称・ガンターと呼ばれるものが大挙し、世界第2位の大企業、IOI(イノヴェーティブ・オンライン・インダストリーズ)までもその競争に組織的に参戦していたのだった。

アメリカのスラムに住む若者、ウェイド・ワッツもそんなガンターの一人だった。

エッグ探しに奔走するある日、あるレースでワッツはアルテミスという女性型アバターを使う凄腕ガンターに出会う。

物語はここから風雲急を告げていくのである。

ワッツとアルテミス、エイチやダイトウというワッツの友人たち、そしてIOI社の暗躍、エッグ争いに飲み込まれていくオアシス、現実世界まで伸びる魔の手、

そして明かされるハリデーの遺志とは・・・。

この世のポップカルチャーを愛するすべての人にこの映画はご覧になっていただきたいです。

初めてバック・トゥ・ザ・フューチャーを見たときのドキドキ。

初めてインディ・ジョーンズを見たときのワクワク。

グーニーズや、スタンド・バイ・ミー、スター・ウォーズやロード・オブ・ザ・リング、ガンダムからカウボーイビバップ、デジモン、ゼルダの伝説までこの映画はあなたをドキドキ・ワクワクに包んだ作品に初めて出会ったときの胸の高鳴りをきっと思い出させてくれるでしょう。

ここからネタバレ注意!!

この映画には本当に様々な作品から様々なキャラクターが隠しキャラとして、

まさにイースターエッグとしてカメオ出演しています。

そんなキャラクターや元ネタを探しながらこの作品を見るのも楽しいです。

ぱっと見てわかるものから目を凝らさないとわからないものまでいます。

バットマンやキングコング、アイアン・ジャイアントなどいっぱいいますが、

アキラのバイクやガンダムなどの慣れ親しんだものが出てきて
カッコイイアクションするのはやっぱり感動しますね。

ガンダムがハリウッド映画で動いてる!!しかも、メカゴジラと戦ってる!!

という感動には唯一無二のものがありました(昔、G-SAVIOURという実写作品がありましたが・・・)。

また、敵役のIOI社の連中も私は好きです。悪いやつなんだけどひどく小物臭がして、

少しおっちょこちょいで滑稽な感じ。この敵の感じも一昔前の映画、

グーニーズやグレムリンとかの時代の敵役を踏襲してる印象を受けますね。

また、中盤で現実世界のワッツがIOI社に襲われて、家が爆破されるんですが

ワッツの養母がターミネーター2の主人公の養母にしか見えなくてそのシーンはターミネーター2がフラッシュバックしました。

終盤でもターミネーター2のオマージュが出てきていましたね。

あの家庭の感じも90年代のアメリカ映画の匂いがします。

劇中で現実世界がどうなっているのかIOI社が権力とか武力持ち過ぎじゃないのか

というツッコミはあるんですが、そのへんの説明を省いたのは私は英断だと思いました。

最近のフィクション作品のストーリーに過度に整合性を求める風潮は私は気に入らないです。

説明過多によって作品のテンポが失われたり、物語の創造性に縛りが掛けられてしまうよりは

全体の調和の方に労力を割くべきだと私は思います。

この映画もその辺の匙加減が抜群で、もし、世界観の説明に労力を割いてしまえば

2時間半という枠の中であそこまでのアクションやドラマは作れなかったはずです。

まぁもちろん明らかな矛盾や設定の崩壊は指摘されてしかるべきです。

ただ、重箱の隅をつつくような指摘は粋ではないと私は思います。

世界観に関しては原作の小説(2011年、アーネスト・クライン著「ゲームウォーズ」)をチェックしてみるのもいいのではないでしょうか。私は未読ですが・・・。

また、ハリデーの鍵を探るミッションの一つで名作ホラー「シャイニング」の映画の世界に入る
場面があるのですがその世界の再現度は素晴らしいものでしたね。

ボールを追いかけると現れる双子の少女、扉の奥から溢れる血の濁流。

273号室にまつわるホラーなどシャイニング好きにはたまらない世界です。

そして終盤の大合戦シーンはもう最高です。

いろんなゲームや映画、アニメのキャラが一堂に介して戦いを繰り広げるシーンは圧巻の一言です。

メカゴジラに急襲されるアイアン・ジャイアントを助けるために登場したガンダムの大立ち回りには感動しました。

鍵をすべて集めたあとのハリデーからの最後の試験もクラシカルな謎掛けで良いですね。

千と千尋の神隠しでの最後の試練を思い出しました

仮想現実の世界に潜って冒険する物語は日本のゲームやアニメに親しみのある人にはもう珍しい設定ではなくなっています。

そしてこの映画のテーマとして想像の世界は最高だ。だが時にはそこを抜け出して現実に目を向けてみるのも良いものだぜ。

というものがありますが、これは奇しくも日本の著名なアニメーターである宮﨑駿や富野由悠季、庵野秀明が

その作品やインタビューなどで日本のオタクたちに向けて発していたメッセージと同義であり、

身体性の重要さを説いていた先見性の現れなのではないかと思います。

ネットがもう体の一部分になりつつある昨今、かつて隔てられていたネットの世界と現実の世界の垣根はもはやなくなりつつあります。

しかし、いくらデータの世界に自らのアイデンティティを持とうと、私達の身体は確かに現実世界に存在し、空想の世界に身を置くことは出来はしないのです。

ネットの世界に生きるのも良い、だが飯を食わなきゃ君は死んじゃうぜ?という
メッセージを彼らは私達に届けてくれていたのではないのでしょうか。

最後に劇中でも紹介されたグルーチョ・マルクスの言葉で締めようと思います。

「それほど現実が好きなわけじゃない。とはいっても、現実はちゃんとした食事にありつける唯一の場所なんだ。」I’m not crazy about reality, but it’s still the only place to get a decent meal

この映画はその世界が圧倒的なスケールと贅沢なVFX、そして王道のストーリーで細部まで徹底的に拘って表現されており、

そこに最高の演出と果てなきポップカルチャーへの愛が詰め込まれている

珠玉のSF映画となっています。

是非、映画館でご鑑賞することをオススメします。後悔はしませんよ

PS,映画ってほんとに良いですよね!