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どうなってんのこれ!?『マルコヴィッチの穴』 感想&レビュー

皆様こんにちは、はまさんすーです

今回ご紹介するのは

マルコヴィッチの穴 』です

私は好き度
オススメ度
マルコヴィッチ度
(星5つ満点)

この映画は1999年に、スパイク・ジョーンズ監督、チャーリー・カウフマン脚本で

アメリカで制作された、なんだかよくわからない映画です。

スパイク・ジョーンズ監督はこの映画で監督デビューし、注目を浴びます。

その後「アダプテーション」や「かいじゅうたちのいるところ」、「her/世界でひとつの彼女」など

奇妙ですがどこか愛らしい、憎めない不思議な映画を撮り続けています。

ちなみに、スパイク・ジョーンズ監督は「ウルフ・オブ・ウォールストリート」にも出演しているみたいです。

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』皆様こんにちは、はまさんすーです 今回ご紹介するのは 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』です 「ウルフ・オブ...

脚本のチャーリー・カウフマンもこの映画の脚本で注目を集め、ミシェル・ゴンドリー監督と組んだ「エターナル・サンシャイン」で

アカデミー脚本賞を受賞しています。

私はこの二人が描く奇妙な世界が大好きです!

出演者もジョン・キューザックやキャメロン・ディアス、ジョン・マルコヴィッチ本人と地味に豪華です。

音楽はコーエン兄弟の映画の音楽をすべて手掛けているカーター・バーウェルです。

画像引用サイト:シネマトゥデイ

マルコヴィッチの穴作品情報

公開日

2000年9月23日

上映時間

112分

スタッフ・キャスト

監督

スパイク・ジョーンズ

脚本

チャーリー・カウフマン

出演者

ジョン・キューザック

キャメロン・ディアス

キャサリン・キーナー

ジョン・マルコヴィッチ

音楽

カーター・バーウェル

公式サイト

なし

視聴可能動画サイト

 

マルコヴィッチの穴のあらすじ

しがない人形師のクレイグ(ジョン・キューザック)は倦怠期の妻、

ロッテ(キャメロン・ディアス)とニューヨークで暮らしていた。

そんな彼は、妻に定職に就くよう促され、渋々ながら求職活動を始めるのだった。

ある時、レスター社という会社に面接に行くのだが、そこのオフィスはなんと、

7階と8階の間にあるのだった。

階と階の間にあるせいで天井が低くなってしまっているそんな異様なオフィスで、

彼はその会社の社長であるレスター(オーソン・ビーン)に気に入られ働き始めるのだった。

ある日、クレイグは会社で奇妙な穴を見つける。

好奇心からその穴に入り込むと、そこはなんとジョン・マルコヴィッチ(ジョン・マルコヴィッチ本人)の頭の中であったのである。

15分間ジョン・マルコヴィッチを体験すると彼はなぜかその辺の道路の脇に放り出されてしまう。

この不可思議な体験に興奮したクレイグは、ロッテにも同じ体験をさせるのだが、

彼女は自身の秘められた性癖に気づき始めてしまう。

クレイグは会社の上司のちょっと気になる美女マキシン(キャサリン・キーナー)にもこの穴のことを話してしまう。

ここから彼らの人生は大きく狂ってしまうことになるのだった・・・。

画像引用サイト:シネマトゥデイ

マルコヴィッチの穴のみどころ

このあらすじだけでもかなりぶっ飛んでいるのに、

ここから先は本当に異常と言うか、シュール過ぎると言うか、

理解が追いつかない展開になっていきます。

普段、私達は、他人の意識が本当に存在しているかどうかなどは意識せずに暮らしています。

デカルトの「我思う故に我あり」で言っているように、

自分の意識はどうやら確かに存在しているようなのですが、

他人の意識が存在しているかどうかなんて確かめようがありません。

なぜなら、私達は他人の頭の中など覗けるはずもありませんから。

他人の意識が存在していないとなると、普段私達が接している人たちはみんな

意識があるように振る舞うロボットのような存在なのかもしれませんし、

あるいは私達が観測した瞬間にだけ存在する幻のようなものの可能性もあります。

でも、だからといってこんな事ばかり考えて生きていては頭がおかしくなってしまいます。

そういう時はこの映画を見ましょう。

この映画は、マルコヴィッチの穴に入ることによってマルコヴィッチという他人の頭の中を覗ける。

つまり、マルコヴィッチの意識の存在を感じることができるのです。

ガンダムで言うニュータイプや、エヴァで言う人類補完計画のようなことが

実感できてしまうのです。

それが幸か不幸かは置いておいて、

それは人類が抱える孤独の一つの要因を解決してくれるものなのかもしれません。

まぁ、覗かれている方はたまったもんじゃないでしょうが。

画像引用サイト:シネマトゥデイ

マルコヴィッチの穴ネタバレ感想

マルコヴィッチの穴好きな所

中盤からの展開は本当に意味不明な展開になっていきますので、

ぜひ皆さん自身の眼でお確かめいただきたいです・・・。

私は先ほど、他者の意識の存在の話などをしましたが、作中でマルコヴィッチの頭の中には、

クレイグや、ロッテそしてマルコヴィッチ自身など様々な意識が入り込み、

様々な視点が繰り広げられていきます。

しかし、そこには作中では言及されない大切な視点が存在しているのです。

それは、私たち映画を見ている観客の視点と、この映画を制作した制作者の視点です。

マルコヴィッチの頭の中はこうした三重構造、四重構造になっているのです。

私達は製作者たちの用意した俳優たちが操るマルコヴィッチの見ているものを見ていたのです。

そこでは、もはや他者の視点と自身の視点とがないまぜとなり、

あらゆるものが虚構と現実の狭間を漂っているのです。

そして、この映画を見終わった瞬間、なにか、

夢から覚めたような感覚を味わうことでしょう。

それが悪い夢か、良い夢かはあなたの解釈する立場次第です。

画像引用サイト:シネマトゥデイ

マルコヴィッチの穴の気になった所

私がいいたいのは一言、

ジョン・マルコヴィッチで遊びすぎだろ!

ということです(笑)

ジョン・マルコヴィッチが文字通りゲシュタルト崩壊を起こしそうです。

その結果、好きな人には刺さるがそうじゃない人には「ナニコレ?」って言われてしまいそうなので

人に勧めにくいのが難点です。

画像引用サイト:映画.com

さいごに

この映画は、ドラマなのか、コメディなのか、哲学なのか、シュールレアリズムなのか、

よくわからないところが魅力の一つです。

よくわからないものをよくわからないままにするのは、

よいことなのかどうかよくわかりませんが、

よくわからないものはよくわからないなりによく楽しんでいきましょう。

画像引用サイト:シネマトゥデイ

よくわかりませんが、それではみなさんまたお会いしましょう!