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爆発するマンガ愛!『バクマン。』 感想&レビュー(ネタばれあり)

皆様こんにちは、はまさんすーです

今回ご紹介するのは

『バクマン。』です

画像引用サイト:hulu

私は好き度:
オススメ度:
友情努力勝利度:

(星5つ満点)

「バクマン。」は元々2008年から週刊少年ジャンプで連載された同名の漫画作品を原作とした、2015年に公開された日本の映画作品です。

原作はストーリー担当の大場つぐみ先生と、作画担当の小畑健先生という

「デスノート」

のタッグが手がけています。

映画の方の監督は実写版「モテキ」で鮮烈な映画監督デビューを果たした大根仁監督です。

そしてキャストは主演に佐藤健、神木隆之介。脇を固めるのがリリー・フランキー、山田孝之、染谷将太、桐谷健太、宮藤官九郎とそうそうたるメンツ。

主題歌もサカナクションという今見ても豪華なメンバーが揃っています。

画像引用サイト:東宝公式サイト

 

作品情報

公開日

2015年10月3日

上映時間

120分

スタッフ・キャスト

監督

大根仁

脚本

大根仁

原作

大場つぐみ

小畑健

出演者

佐藤健

神木隆之介

染谷将太

小松菜奈

桐谷健太

新井浩文

宮藤官九郎

山田孝之

リリー・フランキー

音楽

サカナクション

公式サイト

バクマン。公式サイト

視聴可能動画サイト

 


バクマン。あらすじ

高校生の真城最高(サイコー)は高い画力を持て余しながら、悶々とした日々を暮らしていた。

ある日、自分の落書きを高木秋人(シュージン)に見られたことをきっかけに、彼に漫画家への道を誘われる。

サイコーの叔父であり、漫画家でもあった川口たろうの苦難と挫折を知っていた彼は最初はその誘いを断るのだが、サイコーの想い人である亜豆美保の前で漫画家になることを誓わされ、

彼女もその想いに答えてしまう。

それによってサイコーとシュージンの二人は作画と原作としてタッグを組み、

ジャンプへの連載を目指すことになるのだった。

画像引用サイト:映画.com

バクマン。みどころ

私は大根監督の作品は「モテキ」くらいしか見たことがありません。

ですが「モテキ」も「バクマン。」と同様漫画原作ということもあってか、似たような演出が取られているように思われます。

メリハリの効いたカメラワークと物語のテンポ、効果的なサウンド演出。

たまにインサートされる漫画の中に入り込んだかのような演出。

そして私が抜群にうまいなと思うのがやはり音楽の挿入方法ですね。

そこには視聴者を一時も飽きさせないような工夫が感じられます。

ちなみに「バクマン。」の原作者の大場つぐみ先生は実は「ラッキーマン」の作者のガモウひろし先生の別名義との噂があります。

漫画の方の「バクマン。」を読むと話の間に大場つぐみ先生のネームが乗ってたりするのですが

それがまんま「ラッキーマン」の画風そのままだったので私はこの噂はかなり信憑性が高いものだと思ってます(笑)

映画でもサイコーの叔父の川口たろうの漫画が出てくるのですが、それもまんまガモウひろし先生(大場つぐみ)っぽい絵だったので、

それらのアイテムも大場先生本人に協力して作ったものなのかも知れません。

この映画を見るときは小道具も要チェックです!

画像引用サイト:映画.com

ネタバレ感想

好きな所

私が一番好きな場面は、サイコーとシュージンが原稿のペン入れに没頭している場面ですね。

実際の撮影とプロジェクションマッピングが併用された初の試みらしいのですが、
とても素晴らしい出来で、画面に吸い込まれるような感覚を覚えました。

そしてそこにエレクトロ系のBGMと出演者たちのペンが走る音が合わせられることによって
流行りのASMRと映像作品が合体したかのようなシーンとなってます。

私は昔から、テスト中などで静寂の中でみんなのペンが走る音だけがしてる瞬間が好きなんですが、
そういう音フェチな人たちにはたまらない場面だったのではないでしょうか。

また、私もご多分に漏れず、かなりヘビーなジャンプ読者でして、
兄の影響のせいか、物心がついたときからジャンプを読んでいました。

やはり、そんな人間からすると劇中に登場する集英社のジャンプ編集室の様子には

興奮を隠しきれませんでした。

いやー、一度でいいから中を見学したいものですね。

漫画は静止画ですが、映画は動画です。

原作の漫画の中では、彼らが描く漫画は躍動的に描かれ、作中で非常に重要な働きを持ちます。

しかし、映画では画面を止めることはできません。
我々視聴者は漫画と同じように画面を止め、じっくりとその画を眺めることはできないのです。

しかし、これは漫画家の漫画なのですから、それを描くことから逃げるわけにはいけません。

しかし、この映画はテンポのいいカメラワークと手元へのズームによってそれをなんとか克服しているように思います。

そしてそれを成立させているのはなんと言っても、原稿自体の画力です。

おそらくほとんどの原稿を原作の作画担当である小畑健先生が手がけているのではないでしょうか。

その類まれなる画力と、絵柄をかき分ける力によって黙って原稿を眺めている

シーンでも何一つ破綻してないと言うか、画面のテンションが保たれているのです。

バラエティあふれる漫画の数々とそのコミックスの小道具一つ一つの再現度が非常に高く、

それによって映画のリアリティが高められ、本当にそんな漫画があるかのように感じさせてくれています。

そしてこの映画の魅力はなんと言っても、青春のエネルギッシュさと

ストレートなライバル関係と

友情、努力、そして勝利

です。

ジャンプの合言葉とされている友情努力勝利ですが、実はこのテーマは

ドラゴンボールなどを世に送り出してきた名編集者である鳥嶋氏によって否定されているのです。

しかし、この映画では非常に大きなテーマとなっています。

このテーマがあるおかげで物語にスピード感が生まれ、クライマックスでの大きなカタルシスを生み出しているのです。

サイコーたちが原稿一枚一枚に懸ける血と汗と涙、

連載やアンケートかけて競うライバル作家たち、

小豆とサイコーの淡い恋模様。

それらが渾然一体となり最後の勝利を私達の心を打つものにしているのです。

原作の漫画はこの何倍も長い物語なのですが、この映画はそのエッセンスを上手く

取り入れ、非常にコンパクトに纏められています。

映画を見て原作未読の方は是非この機会に原作の方もご一読下さい。

サイコーたちの苦難を乗り越えていく姿が見られますよ。

画像引用サイト:映画.com

気になった所

みんなが原稿を書いているスタジオがすべて暗すぎる!!

明るくしてしまうと画面全体がのペーっとしてしまい、

奥行きが生まれないのかもしれませんが、

それにしても暗すぎる!

お前らよくそんなところで細かい作業良くできるなと言いたいです(笑)

画像引用サイト:映画.com

さいごに

ジャンプ読者としてはこの場面に触れないわけにはいけないでしょう。

最後の二人がタッチを交わすシーンを見てなにか思い出しませんか?

そうです、スラムダンクで桜木花道と流川楓が山王戦で初めてタッチを交わすシーンです。

おそらく皆さんもこの場面では同じことを考えたと思います。

それでは皆さん、さようなら。