皆様こんにちは、はまさんすーです
今回ご紹介するのは
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』です
私は好き度:★★★★☆
オススメ度:★★★★★
逃げちゃだめだ度:★★★★★
星5つ満点)
はまさんすーから一言
「笑えばいいと思うよ。」
みなさんご存知の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」は2007年に公開された日本のアニメーション映画です。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」4部作の第一作目に当たる本作は、1995年から放映された
TVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を「リビルド(再構築)」したものと言われています。
TVシリーズを制作していたガイナックスから独立した庵野秀明監督が新たに立ち上げた制作会社
「スタジオカラー」の設立第一回作品でもあります。
TVアニメシリーズの方は当時一大センセーショナルを日本中に巻き起こし、
大きな衝撃とムーブメントをもたらしました。
宗教的、哲学的ともとれる深い世界観と、ロボットアニメの常識にとらわれない斬新なアニメーション表現、
特撮の要素をふんだんに取り入れた音楽と演出、そして謎が謎を呼ぶ衝撃的なストーリーライン。
当時放映された最終回はかなり実験的な手法で放送され、日本中でエヴァショックを巻き起こしました。
放映後の1997年に物語を完結させるものとして、劇場版が公開される運びとなりました。
1997年3月にTVシリーズの総集編として「シト新生」、同年7月に完結編として「Air/まごころを君に」が公開され
物語としてのエヴァはここで一応の完結を迎えます。
しかし、エヴァブームはそこから留まることを知らず、考察本が出されたりするなど長く続きました。
その後のアニメやゲームなどへの影響も凄まじく、哲学的な題材に挑戦する娯楽作品が爆発的に増えたのです。
「新世紀エヴァンゲリオン」は「宇宙戦艦ヤマト」、「機動戦士ガンダム」などと並び、
サブカルの枠を超え、文化の潮目を変えた作品として君臨することとなりました。
旧エヴァの話だけで語っていたら1日が終わってしまうので、このあたりで新劇場版の話に移ります。
あらすじ
赤く染まった海の波が寄せては引いている。
海岸線には無数の戦車が並び、その砲塔は遠く海の方を睨んでいた。
彼方では何モノかの影がおぼろげに揺れていた。
季節は夏のようだった。
第3新東京市に上京した碇シンジは公衆電話から案内役である葛城ミサトへ電話するのだが、街中が厳戒態勢のためか繋がらない。
バスも電車も止まってしまった街中で途方に暮れたシンジは仕方なくシェルターへ向かおうとするのだが、そこを衝撃波が襲う。
顔を上げた彼は山の向こうから戦闘機とそれに囲まれた謎の巨大生物が向かってくるのを見る。
戦闘機が巨大生物をミサイルで攻撃するのだが、巨大生物は全く意に介していないようだった。
戦闘機たちは巨大生物の反撃にあい墜落していく。
そのうちの一機がシンジの近くに墜落する。
それを踏み潰していく巨大生物。
シンジが戦闘機の爆発に巻き込まれようかというその時、一台の車が彼の下へ駆けつける。
その車の中からサングラスの女性、葛城ミサトが姿を覗かせると、遅くなってごめんと詫びを入れつつシンジを車に載せる。
美里は車を急発進させ、彼らはなんとか窮地を脱したのだった。
基地本部と思われる施設の中では軍服を着た連中が、軍隊へと攻撃の指示を喧々囂々と飛ばしていた。
ミサイルや砲弾の雨を降らせても沈黙しない巨大生物に歯噛みする彼ら。
彼らの後ろでは二人の男が待機しており、通常兵器では巨大生物「使徒」へは効果がないとつぶやいていた。
軍隊は最終手段としてN2地雷と呼ばれる兵器を使徒へと行使するのだった。
その兵器のあまりの威力で周囲は吹き飛び、遠く離れていたシンジたちも爆風に吹き飛ばされてしまう。
なんとか生き延びたシンジたちはボロボロになった車を酷使しながらも、基地への道をたどるのだった。
基地本部では「やったか?!」と固唾をのんで使徒の殲滅完了を祈る軍人たちだったが、
その思いも虚しく、多少の傷を負いながらも健在な使徒を確認し、意気消沈となる。
シンジたちは地下行きの貨物列車に乗り込み、基地本部である「特務機関ネルフ」へと向かう。
軍人たちの後ろにいた男の一人はシンジの父、碇ゲンドウであり、彼はその特務機関ネルフの総司令だったのだ。
そして碇シンジは父のゲンドウとなにかわだかまりのある関係のようでもあった。
軍隊へ指示を飛ばしていた男たち、国連軍の幹部連中はゲンドウ率いるネルフへ指揮権を移譲することを決定する。
車の中でミサトはシンジが父親から何の説明もないままここへ呼び出されたことを知る。
ミサトの車を運ぶ貨物車両は狭いトンネルを抜け、広大な地下空間へと出る。
ジオフロントと呼ばれる大都市が地下へと格納されていたのだ。
窓の外の光景に釘付けとなるシンジにミサトはここがネルフの本部であり、人類の最後の砦であることを説明するのだった。
集合時間に遅刻しているミサトを迎えに来た技術局長の赤木リツコと合流し、基地内部へと進むシンジたち。
真っ暗な空間へと着いた一行。そこの照明が突然点灯すると、シンジの目の前に異形の巨大なロボットのようなものが現れる。
驚くシンジにリツコはこれは人類の最後の切り札、汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンの初号機だと説明する。
これも父の仕事だと聞き、シンジの顔が曇る。
そんなシンジの前に碇ゲンドウが姿を現す。
ガラス張りのコントロールセンターからゲンドウはシンジへと語りかけていた。
そしてゲンドウはシンジへと初号機に乗り出撃するように命令する。
このために自分を呼んだのかと父に問い詰めるシンジにゲンドウは冷たくそうだと返す。
必要だからお前を呼んだまでだと突き放すゲンドウにシンジはできるわけない、嫌だと拒絶する。
乗るなら早くしろ、でなければ帰れ!と言い放つゲンドウを拒否するシンジだったが、
使徒の攻撃はネルフ本部間近へと迫っていた。
そんなシンジをミサトは逃げちゃだめよ、父親から、何より自分からと諭し、エヴァに乗るように促すのだった。
業を煮やしたゲンドウはレイという人物を呼ぶように要請する。
副司令である冬月は難色を示すが、ゲンドウは構わずレイに無線で行けるかどうか確認をする。
無線からは肯定を示すかぼそいレイの声が聞こえてきていた。
ぼくは要らない人間なんだと心を閉ざすシンジのもとに重症を負っているであろう少女が担架で運ばれてきていた。
赤い瞳をした青髪のシンジと同い年くらいの少女、それがもう一人のエヴァパイロット綾波レイだった。
使徒の攻撃によって激しく揺れるネルフ本部。
その衝撃で担架から綾波が落ちてしまう。
必死で起き上がろうとする綾波をシンジは抱き起こし、大丈夫かと声を掛ける。
自分が乗らなければ彼女が乗ることになると葛藤するシンジ。
それを見て不敵な笑みを浮かべるゲンドウ。
「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ」と自分に言い聞かせるシンジ。
そしてシンジは決意を固めた顔を上げ、ゲンドウを睨め上げるとこう言うのだった。
「やります、ぼくが乗ります!」と。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」はパチンコのエヴァ台人気で再び再燃したエヴァブームが起こっていた2006年に突然発表されました。
所信表明として庵野秀明監督は「現在の閉塞した日本アニメ界に新たなムーブメントを起こしたい」と宣言し、
旧作のフィルムを一切使用しない、前編作り直しをするとの意向で制作されたそうです。
20世紀から21世紀になったことで「新世紀エヴァンゲリオン」から新世紀の文字が消え「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」として発表されました。
そして2007年9月に「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」が本当に公開されたのでした。
タイトルの「序」は雅楽の用語である「序破急」に由来するそうです。
私は当時、実際に公開されるまで本当にこんな事が起こるのか少し信じられませんでした(笑)
そのくらい新シリーズがやるというのが衝撃的だったのです。
少年時代にリアルタイムでTVシリーズを追っていた身としてはエヴァが一大ムーブメントとなって、
大人になった今時分まで新作がやるかどうかで話題になっているとは感慨深いものがあります。
エヴァの衝撃的だった点は色々ありますが、1番言われているのはその世界観やストーリーでしょう。
謎が多すぎるストーリーは数多くの考察をよび、人々を惹きつけました。
そのへんの考察はいろいろ出回っているので置いておくとして、私が個人的に衝撃を受けたのは、ロボットの動きです。
エヴァンゲリオンというロボがまるで人間のように筋肉的な動きで闘うというところですね。
それまでのロボはエンジンの動力で動き、関節の部位ごとにパーツが分けられて構成されているというものが主でした。
そこで出てきたのがエヴァなのです。
ウルトラマンなどの特撮ヒーローの動きをもっとダイナミックにアニメ的にロボが行うのです。
その上ケーブルで繋がれ、活動限界があるなど当時はその斬新な設定と動きに衝撃を受けたものでした。
「機動武闘伝Gガンダム」などもロボが格闘をするということでダイナミックな動きが多かったのですが、
それもやはりガンダムの延長線上という感じでそれほど衝撃は受けませんでした。
しかし、エヴァはその動きの根本が特撮にあるからなのか、とても異質に映ったのです。
シンクロ率という設定も素晴らしいですね。動きに説得力が生まれ、なおかつその値の上下で有利不利がわかりますから。
本作の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」もTVシリーズに負けず劣らず、それ以上のダイナミックなアニメーションを見せてくれます。
あと、エヴァの魅力の1つとして言及しておかないといけないのがその劇伴の音楽の素晴らしさですね。
通常、見せ場などではロボアニメは盛り上がる熱くなる音楽を流すのですが、
エヴァでは、ゴジラなどの特撮映画で使われるようなハラハラする音楽を使用しているのです。
これが物語の不穏さを助長し、世界観の壮大さを増大するのに寄与しているように感じられます。
庵野監督の過去作「トップをねらえ!」でも同じような音楽演出で物語を盛り上げています。
本作の最後に流れる宇多田ヒカルさんの「Beautiful World」もいい曲ですね。
そして、劇中で使われている文字のフォントも特徴的で有名です。
それを市川崑監督の「犬神家の一族」のように並べるオマージュ付きですね。
それではここからネタバレ後編へと続きますので未視聴の方はご注意ください。
そして視聴済みの方は是非お付き合いくだされば幸いです。
後編へ続く
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(ネタバレ後編)